2013年09月27日

イスタンブール、3つの物語

東京,某月某日 21時52分。

 アヤカ、友だちが北欧でオーロラを見る旅行に行く。うらやましく思う。

 シュルシュルシュル....バーン。バッ。ベランダに白い煙が立ちこめ,どこからともなく怪しげな人影が窓辺に舞い降りる。

ガタン。マントを身にまとった悪魔が手すりにつまずき,着地に失敗する。見た目どことなく愛嬌のある雰囲気を醸し出している。

アヤカ:そこにいるの,誰?

悪魔:イタタッ。(悪魔,アヤカの姿を目にし,背筋を伸ばしてシャンと立つ) 邪悪な人たちの悪魔信仰の祈りで甦った,私は悪魔です。中世ヨーロッパより時空を越えてあなた様の願いを叶えにやってきました。

アヤカ:願いを,叶えに...? 何それ?

悪魔:何それではありません。何でも好きな願いをひとつ叶えて差し上げるのです。

アヤカ:ああ,それであたしの魂と交換する気なんだ。あなたにあげるものなんて何にもないよ。

悪魔:いいえ、私はただ願いを叶えて差し上げるのです。

アヤカ:怪しいよ,そんな話.....。

悪魔:では,まず証拠をご覧に入れましょう......ウウウン。(悪魔,アヤカの心を読みとろうと意識を一点に集中させる) 北欧でオーロラが見たいのですね。

アヤカ:何でわかったの??

悪魔:(アヤカの答えを無視して) これから中世の北欧に参ります。壮大なオーロラをご覧に入れましょう。アーラトワーニー。(矢継ぎ早に呪文を唱え,悪魔,マントを翻し疾風を巻き起こす)

アヤカ:ちょっと待ってよ。やだー。キャーーーー。

 アヤカと悪魔,一瞬にしてベランダから消える。


 気がつくと,二人は時空列車の座席に座っている。通路を挟んだ向かいの席には,サンタクロースがプレゼントの袋を抱えて窓の外を眺めている。

後ろの座席にはノストラダムスがペテンの罪で手錠をかけられ座っている。通路をお腹の大きな聖母マリアが歩いている。

イエス=キリストを21世紀に復活させるため,バチカン市国に向かっているところだ。

 窓外では暗黒の時の流れの中,西暦2013年版「時のオーロラ」をなびかせながら騎馬隊が,アレクサンダー大王を先頭に,グリニッジ天文台に向かっている。

悪魔:毎年この時期になると,カウントダウンに間に合うように,彼ら「時の番人」はオーロラを運んでいくのです。



アレクサンダー大王がやってくる。
騎兵隊を従えて、時間城をあとにする。

太陽風に煽られた「時のオーロラ」をなびかせながら、
暗黒の時空間を翔け抜ける。

色とりどりのオーロラで、グリニッジの空を覆うとき、
新たな時の流れが、ふたたび始まる。

我こそは、世界標準時を司る
アレクサンダー大王なり。



アヤカ:あの後ろに座っている人,どこかで見たことあると思ったら,ノストラダムスじゃない? テレビで見たことあるんだけど。

悪魔:よくわかりましたね。やつはあることないことウソをついては人々を不安に陥れるので,ペテンの罪で逮捕され,時空法廷にかけられるのです。


サンタクロース,アヤカに気がつき,袋から楕円形のペンダントを取り出す。

サンタクロース:お嬢さん,これを差し上げよう。

アヤカ:これは何ですか?

サンタクロース:これは人の心を映し出すペンダントじゃ。お嬢さんの味方の前では,この水晶が青く光るのじゃ。彼らはあなたを守ってくれることじゃろう。

アヤカ:わあ,きれい。ありがとう。

 アヤカ,サンタクロースからペンダントを渡され,それをポケットにしまおうとする。


 ゴゴゴゴゴー。突然,車両が小刻みに揺れだし,何かとてつもなく大きなものが列車に近づいて来る。

ノストラダムス:オオオッー,あれを見ろ!ついに恐怖の大王がやって来たぞ。目指すはイスタンブールだ。

恐怖の大王が自軍の騎馬大隊を引き連れ,イスタンブールに向かっている。

アヤカ:イスタンブールって?

悪魔:イスタンブールとは、その昔、アジアとヨーロッパが交錯し、ぶつかり合った地です。

イスタンブールのとあるところに,2つの世界がぶつかり合った時にできた「時空の歪み」が残っています。彼らはきっとそこから三次元世界に入り込むつもりでしょう。


 ノストラダムス、おもむろに立ち上がり、大声で叫ぶ。

ノストラダムス:待っていたぞ恐怖の大王!20世紀最大のペテン師と呼ばれた、このノストラダムスの予言が実行される時がついに来たのだ。

大地震と疫病と飢餓と,そして最後に核戦争が地球を覆い尽くすのだ。私の予言を聞き入れなかった人類は破滅だ。アハハハーーー。


恐怖の大王率いる騎馬大隊,「時のオーロラ」に突入し,ズタズタに蹴散らす。

アヤカ:2014年が来ないと,あたし20歳になれな〜い。成人式でせっかく着物着るのに....。恐怖の大王なんか大っ嫌い。


 騎馬大隊,「時のオーロラ」を破壊し,轟音と共に列車のほうに向かってくる。騎馬隊の先頭が列車にぶつかり,車両が激しく揺れる。アヤカも悪魔もまっすぐ座っていられない

アヤカ:こわーーーーーーーーい。キャーーーーーー。

 列車の前方の車両は,悲鳴と怒号が渦巻き、騒然とする。


カチカチカチ,居間の掛け時計が時を単調に刻んでいる。

アヤカ:はっ!

アヤカ,居間のソファーの上で目を覚ます。が,バランスを崩しソファーからずり落ちる。ドタっ。額には大粒の汗が噴き出している。

アヤカ:イタタッ!......夢か.....変な夢。

 アヤカ,上半身を起こし,片手をソファーについて起きあがる。腰の辺りをさすっていると,スカートのポケットから鎖が出ているのに気づく。

それをつまんで引き出すと,楕円形のペンダントが鎖につながれ,目の前を左右に揺れていた。

アヤカ:マジ?!
posted by 佐藤 at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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